今年もゾウさんとKUROさん、そして良さんの命日がやってきた

命日

命日続きの春

2025年春になりましたが、今年も私の敬愛するシンガー・ソングライターの西岡恭蔵さんと作詞家である奥様のKUROさん、そして加川良さんの命日ラッショなのです。

1999年4月3日は西岡恭蔵さんの命日(1948年生の50歳での出来事)で、その日は奥様のKUROさんの3回忌の日か、或いはその前日の日だったということです。なので、後追いの自殺という感じがあります。

病没されたKUROさんは、夫である恭蔵さん(ゾウさん)の躁うつ病のことが気にかかりつつも先に逝かれたわけで、とても心残りや心配しながらの他界だったのだろうと想像します。

でも恭蔵さんは、KUROちゃんの追悼アルバムを2枚組で出され、それはKUROさんの作詞曲(作曲は西岡恭蔵)30曲を30人(一人1曲づつ)で歌うというものです。いろんな人たちが歌に参加していますが、加川良さんも「月の祭り」という名曲を歌って参加されています。
それはみんなの手で作り上げた本当に前向きなアルバム制作の活動だったと思います。
そしてもう一つの偉業は自らのアルバム「Farewell song 」のリリースでした。それがまた名曲揃いの素晴らしい曲集です。これは、作詞家KUROさんの没後のアルバムなので、すべて恭蔵さんの作詞・作曲となっています。
私にはそれらが亡きKUROさんへの究極のラブソングに聞こえます。ラブソングというものの在り方がこれほどにも温かくストイックで堪え性のあるものだと知るところにその究極性を感じるのです。

是非ぜひ、YouTubeその他いろんなところで探して聞いてください。ここではディスコグラフィーのみ掲げておきたいと思います。

「KUROちゃんを歌う」参加アーティスト

【Disc-1】
1.西岡恭蔵 「What A Wonderful World」
2.砂川正和「Gypsy Song」
3.大塚まさじ&永井 洋(ディランⅡ)「アフリカの月」
4.綾田俊樹「Moroc(朗読)」
5.千秋&チャールズ清水「ハドソン・リバー」
6.友部正人「MANHATTAN Lullaby」
7.加川良「月の祭り」
8.Mabo&Kyozo「さらばJamaica」
9.いとうたかお「夏の楽園」
10.太田裕美「Banana Spirit」
11.桑名晴子「シャララI Love You」
12.Morgan’s Bar「Morning Lullaby」
13.シバ「川の向こう」
14.中川イサト「Happy Swingin Blues」
15.高田 渡「Good Night」
【Disc-2】
1.金子マリ「Summer Rain」
2.北 京一「聞こえるかい?」
3.大上留利子&ジェニファ・ヨネダ「Gloria」
4.上田正樹「真夜中の子供達」
5.もんたよしのり「燃えるキングストン」
6石田長生.「ポート・メリー・スー」
7.ジョニー吉長「Mississipi River」
8.大庭珍太「R&R Music」
9.誰がカバやねん R&Rショー「恋のテレフォン・ラブ」
10.西村入道「静かにGood Night」
11.アーリー・タイムス・ストリング・バンド「パラダイス・カフェ」
12.亀淵友香「Summer Time」
13.有山じゅんじ&ゴンチチ「La-Cana」
14.憂歌団「Heart To Herrt」
15.山下久美子「The Sunny Side of The Street」

恭蔵さんの遺作

◆Farewell Song (作詞・作曲:西岡恭蔵)
1.Glory Hallelujah
2.I Wish
3.コンケーンのおじいさん
4.恋が生まれる日
5.街角のアコーディオン
6.5月の恋
7.永遠のDance Music
8.Soul X’mas
9.わが心のヤスガーズ・ファ-ム
10.Farewell Song

ところが、恭蔵さんの遺作はこれでは終わらなかったのです。もう一つ、そこに加わったのが「X’mas Song」のリリースでした。
ディランⅡ時代からの仲間である大塚まさじさんによると、恭蔵さんとクロさんは毎年1曲づつクリスマスソングを作り、10曲たまったらアルバムにしようという願いがあったということです。
しかし、その音源がどこにあるか当初わからずにいたところ大阪のバナナホールにライブ音源があることがわかってそれを聞き、その出来の良さに驚いたとありました。
曲数が10曲に一つ足りない9曲だったのでそれにアルバム「Farewell Song」のグローリー・ハレルヤを加えて10曲にして大塚氏が本人に代わってリリースしたというのが、恭蔵さんの没後に出されたCD発売の話の顛末のようです。
こんなにほんわかと温かいクリスマスソングが誕生していた なんてという感激と嬉しさで、私は半年くらいは毎日通勤の行き帰りに聞いていた覚えがあります。いい歌揃いですからみなさんも是非聞いてみてください。

<X’mas Song ディスコグラフィー>

1.Banana X’mas Tree
2.真冬のアロハ・パーティー
3.X’masは家にいて
4.クリスマスはカリプソで
5.アンダルシアのジングルベル
6.Glory Hallelujah
7.Soul X’mas
8.X’mas Song
9.Glory X’mas
10.X’mas Dreamin

加川良さんの命日は4月5日です

加川良さんは、70歳で白血病により亡くなられました。生前のその前の年(12月のはじめ)に私は福岡のまちにあるあるライブハウスで良さんの歌を聴きました。その時にはそのように体調が良くないとは思えませんでした。
ライブの終わり際に、「月半ばには検査入院で行ってきます。」とまるで人間ドックに行ってくるからまた来年もよろしくみたいな明るいノリでライブは閉じられましたので、まさか年明けて4月には訃報を聞くことになるとは信じられないことでした。
ちょっとした思い出ですが、良さんの生前のある時、私は直接、西岡恭蔵さんについて聞いてみたことがあります。すると意外にも<自分はまだ彼が自殺したことを許せていない>というような意味の言葉が返ってきました。私はショックで次の言葉が出なくなったことでした。

恭蔵さんは、躁うつ病で躁状態と鬱状態のギャップがひどく精神を痛めつけてを長く辛い状況が続いていたのでしょう。そこに奥さんの死が追い打ちをかけたのだと思います。

その状態の中でも奥様の追悼アルバムを出し、さらに自分の遺作となるアルバムを出して、そこで力尽きたのではないでしょうか。躁鬱病の自殺願望は相当なものです。僕はよく頑張ったものだと敬意を感じます。
結果が片や自殺であり、片や白血病というどちらも衝撃的な最後でありました。
ただ、最後まで歌うことを止めなかったお二人の「歌」が残ったことが何よりの救いなのだと思います。たくさんの名曲は変わりなく輝き続けています。
良さんの歌で、たくさんある私の好きな曲のうちそのいくつか書いておきます。
「教訓」
「伝道」
「明日天気になあれ」
「たかが私にも」
「コスモス」
「女の証」
「胸にあふれるこの思い」
「駒沢あたりで」
「贈りもの」
「アイ&アイ」
「下宿屋」
その他、たくさん
いずれ劣らぬ名曲揃いです。You Tubeその他、いろんなところから聞いてみてください。

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