□80年代の特徴
70年代に出そろったシンガーソンライターやミュージシャンたちが、ライブ活動に専念する一方で、テレビでは山口百恵、松田聖子、中森明菜などのスーパーなアイドル歌手たちが登場する。
ところが、彼女たちの歌う歌の作られ方に変化の兆しが現れる。それは、彼女たちへの楽曲提供という形でそれまでの歌謡界の大御所的な作詞・作曲家先生ではなく、70年代に登場したシンガーソンライター、アーティストがコラボレーションする形が大きく進展する。
山口百恵の歌には宇崎竜童・阿木曜子夫妻が何曲も関わってヒットを飛ばし、松田聖子のヒット曲は松本隆・呉田軽穂(ユーミン)のコンビによる曲が多い。中森明菜のヒットは来生たかお・来生えつこ姉弟や玉置浩二、井上陽水や加藤登紀子、小室哲哉など多くのミュージシャンが曲提供をしている。
他にも、山口百恵には谷村新司氏(アリス)や、さだまさし氏の提供曲もある。
そのように、80年代はコラボの時代となり、それは歌謡界(体制側)が外に発生した70年代の才能を取り込んだのか、フォークやニューミュージックの側が積極的に体制側を侵食したのか、詳しくはわからない。
この時代に生成された歌謡曲は今なお昭和歌謡の重要な一角を占め、東アジアなどで火の点いたシティ・ミュージックという名の日本曲群としても進行形として再生している。
□メディア媒体の変遷
1982年にCDというメディア媒体が登場し、1986年にレコードをCDが追い越しで音楽メディアの主流になってからの90年代は音楽市場の主役はCDとなる。80年代の音楽シーンはレコードからCDへの転換期と一致している。
90年代後半に始まったデジタル配信は2000年代以降に加速し、今ではコンテンツの主流となる一方で、2010年代半ばからは、デジタルレコードの売り上げも徐々に増加しはじめていて、若年層への浸透とともに、大手企業のレコード生産の再開も見えている。
これらメディア媒体の変遷には私のような古い世代の人間としては戸惑うことが多い。選択肢が増えることは悪いことではないが、慣れ親しんだ愛着のあるアイテムにはどうしても後ろ髪をひかれてしまうものだ。
今では普通のことだがその昔、自分の好きな音楽を持ち歩くスタイルは、ソニーのウォークマンが登場して始まったことのように思う。私も使ったことがある。そのあとMDウォークマンが出てよりコンパクトになったのはいいが、今ではMD自体がなくなってしまったのは残念に思う。音の質は悪くなかったように思うから。
1990年代後半から開始された音楽配信は、それからおよそ30年後の今では主流の状態だが、2008年ごろからのSpotify の登場や2015年ごろからのサブスクの急激な浸透など目を見張るものがある。
だが、一方で旧来のレコードのアナログ音源が見直されているという現象がある。それは写真でいうチェキなどのフィルム撮影のようにアナログ媒体のニッチな需要のようなものだろうか?
□大物たちの活動
70年代初め頃にはっぴぃえんどの中心である細野晴臣率いるYMOの活動が1978年~83年、同じくはっぴぃえんどの大瀧詠一・松本隆コラボの「ア ロング・バケーション」のリリースが1981年、山下達郎氏のヒット曲「ライド・オン・タイム」のリリースが1980年、等々80年代も70年代生え抜きのアーティストたちの独壇場だったように思う。
ユーミンもサザンオールスターズも依然として好調なアルバムリリースが続き、松任谷由実さんは2025年現在にあって「自分はアルバムアーチストである。」と豪語している。
□そして次の世代の胎動
80年代になってアマチュア活動をはじめ、メジャーデビューを果たすグループが現れる。
スピッツ(1987年)、B`z(1988年)、X japan(1989年)あたりであるが、やはり新世代としての力を発揮するのは90年代だったと思うし、彼らと70年代以来のアーティストとの間での断層のようなものは確かにあるように思えるのは私だけだろうか。
その断層の理由は分からないが、原体験となるルーツとしての音楽体験の違いなのかもしれない。70年代からのアーティストはビートルズや60年代米・英の音楽が体験的ルーツとなる人たちがほとんどだと思うのに対し、80年代から活動を開始した人たちの体験的ルーツが何なのかを私は知らない。
また、相互間のコラボや連携がどれほど存在するのか見えない感じがする。
私は、その時代以降に登場したアーティストについては全く詳しくないので、「知りもしないくせに」と言われるのは必然なので、多くを語ることはできない。
□AIに聞いてみた
そこで、試しにAIに聞いてみた。質問は「80年代、日本のミュージックシーンの特徴について教えて」というもの。すると以下のような内容が回答されてきた。
【AI回答のまとめ】
1.アイドル黄金時代
・松田聖子、中森明菜、小泉今日子
・楽曲提供:筒美京平、松本隆、大瀧詠一、細野晴臣(下線部は元はっぴいえんどのメンバー)
2.シティ・ポップ
山下達郎、竹内まりや、大貫妙子
3.テクノポップス
YMO、プラスチックス
4.バンドブーム
・ビジュアル系→BOOWY、TH BLUE HEARTS, REBECCA 等
先に書いた私の認識は、バンドブームのこと以外は当たらずとも遠からずの感じで80年代についてはまずまずクリアーできたのではないかと思うようなAIの回答だった。
シティポップの中身は、私などにもなじみのあるミュージシャンや歌謡曲などともクロスしていて、違和感がない。
また、テクノポップスはほぼYMOの遊び心から誕生したもので、昔の黒沢映画のイメージや馬の足跡が電子音で再現されている部分など、とにかく斬新であるところが面白い。

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