昭和アイドル歌手時代の女性トップ3 どんな歌詞が歌われたのか

コーヒーブレイク

■山口百恵、松田聖子、中森明菜の三者三様?の人生

皆さんも既にご存知だと思いますが、昭和のアイドル歌姫のトップと言えば、やはり山口百恵、松田聖子、中森明菜のお三方でしょうか。

アイドルでありながら純粋に歌の歌唱部分で勝負するというスタイルは今はほぼ存在しません。今時は、例えば集団での踊り(ダンス)が込みであったりします。

この三人は、活動当時たて続けにヒットを飛ばし、歌のうまさでも定評のある歌手さんたちで、今でもことあるごとに人々やネット等々の話題に上がり、「〇〇の今」的なニュースなどにも良くなる方々です。

1989年が平成元年ですから、ほぼ昭和の末期に続けてヒットを飛ばし、ブレイクした人たちです。今でこそ還暦を過ぎたり、直前だったりの状況ですが、彼女たちの10代~20代には実力も備えたアイドルとして活躍したのでした。

それぞれに、現在も三者三様の人生を歩んでおられるようです。デビュー年など簡単なプロフを、先ず紹介しておきましょう。
山口百恵(1959年生、神奈川県横須賀市出身)歌手、女優
活動期間:1973年1980年
松田聖子(1962年生、福岡県久留米市出身)歌手
活動期間:1979年~
中森明菜(1965年生 東京都清瀬市出身)歌手
活動期間:1982年~

■彼女たちのヒット曲は、いったい誰が作詞・作曲をしたものか?

◇山口百恵の場合


◎青い果実(1973年:千家和也作詞:戸倉俊一作曲)
◎禁じられた遊び(1973年:千家和也作詞:戸倉俊一作曲)
◎ひと夏の経験(1974年:千家和也作詞:戸倉俊一作曲)
◎横須賀ストーリー(1976年:阿木曜子作詞:宇崎竜童作曲
◎夢前案内人(1977年:阿木曜子作詞:宇崎竜童作曲
◎イミテイション・ゴールド(1977年:阿木曜子:宇崎竜童作曲
◎秋桜(1977年:さだまさし作詞:さだまさし作曲
◎プレイバックPart2(1978年:阿木曜子作詞:宇崎竜童作曲
◎いい日旅立ち(1978年:谷村新司作詞:谷村新司作曲
◎絶体絶命 (1978年:阿木曜子作詞:宇崎竜童作曲
◎さよならの向こう側(1980年:阿木曜子作詞:宇崎竜童作曲

◇松田聖子の場合

◎青い珊瑚礁 (1980年:三浦徳子作詞:小田裕一郎作曲)
◎白いパラソル(1981年:松本隆作詞 :財津和夫作曲
◎風立ちぬ(1981年:松本隆作詞 :大瀧詠一作曲
◎赤いスイートピー(1982年:松本隆作詞 :呉田軽穂作曲
◎渚のバルコニー(1982年:松本隆作詞 :呉田軽穂作曲
◎SWEET MEMORIES(1983年:松本隆作詞:大村雅朗作曲)
◎天国のキッス (1983年:松本隆作詞 :細野晴臣作曲
◎瞳はダイヤモンド(1983年:松本隆作詞 :呉田軽穂
◎瑠璃色の地球(1986年:松本隆作詞 :平井夏美作曲)
◎夏の扉(1991年:三浦徳子作詞:財津和夫作曲

◇中森明菜の場合

◎少女A(1982年:売野雅勇作詞:芹澤広明)
◎スローモーション(1982年:来生えつこ作詞:来生たかお作曲
◎セカンド・ラブ(1983年:来生えつこ作詞:来生たかお作曲
◎サザン・ウインド(1984年:来生えつこ作詞:玉置浩二作曲
◎北ウイング (1984年:康珍化作詞:林哲司作曲)
◎飾りじゃないのよ涙は(1985年:井上陽水作詞:井上陽水作曲
◎NO MORE(1985年:阿木曜子作詞:宇崎竜童作曲
◎ミ・アモーレ (1985年:康珍化作詞:松岡直也作曲)
◎DESIRE(1987年:阿木曜子作詞:鈴木キサブロー作曲)
◎難破船(1987年:加藤登紀子作詞:加藤登紀子作曲
◎TATTOO(1988年:森由里子作詞:関根安里)
◎禁区 (1989年:売野雅勇作詞:細野晴臣作曲

よく分かる特徴として、山口百恵さんの場合は、宇崎竜童夫妻の作詞・作曲のパターンが多く、松田聖子さんは、松本隆作詞・呉田軽穂(ユーミン)作曲のパターンが多いということ。

百恵さんは、絶頂期において引退と言う形での歌手活動への終止が押されましたから、あとの二人に年代的には引き継がれたという感じでしょうか?

中森明菜さんは、割とバラケていて明菜氏本人の指名で次々と作詞・作曲者が変わったとも聞きます。来生たかお姉弟コンビの曲が多い印象はある。

ニューミュージック畑のミュージシャンの名前を青くしてみましたが、分かる通り彼らの力がなければこのような質の高い歌謡曲は生まれなかったことでしょう。

■ここでは、これらの作詞・作曲者に目を向けます。

◇宇崎竜童・阿木曜子

山口百恵さんを支えたのは、宇崎竜童夫妻です。宇崎竜童氏は言わずと知れたダウンタウンブギウギバンドのボスとして、自分自身のアーティストとしての活動も続けられてこられました。

百恵さんの場合、デビュー当初は「青い果実」「禁じられた遊び」「ひと夏の経験」とお色気歌謡の思わせぶりな歌詞をまだ十代半ばの少女に歌わせるという、実に動機の不純な商業趣味のヒット狙いがそこにありました。

従って、作詞・作曲は歌謡曲専門の人たちでした。ところがそこに、転機をもたらしたものが「横須賀ストーリー」でした。アーティストとしての宇崎氏の音楽と女性の感性豊かな阿木曜子さんの歌詞が火花を飛ばし始めたのです。

やはり70年代からは、単なる作詞家・作曲家だけではなく才能のあるミュージシャンやアーティストたちが歌謡曲の世界にも必要とされるようになったわけです。

阿木さんの詞はそれまでになかった都会的なセンスと強い言葉で構成されています。それが時代によくハマりました。
「これっきり これっきり もう これっきりですか」
「馬鹿にしないでよ そっちのせいよ」

彼女の歌では、誰もが知っている(?)特に印象的なフレーズです。
パワーフレーズと言えばいいでしょうか。作詞での言葉選びの成功が、曲のヒットを呼び込んでいるのは確かでしょう。

◇松本隆・呉田軽穂(ユーミン)

作詞の松本隆さん、かつてユーミンのデビューアルバム「ひこうき雲」の作成に関わった人物です。伝説のロックバンドのメンバーの一角としてはっぴいえんどのドラム担当出身であります。

当時から、グループの歌詞はほとんど手掛けて、解散後は「木綿のハンカチーフ」で歌謡曲の作詞家デビューを果たした。

作曲:呉田軽穂とは、ユーミンこと松任谷由実氏のこととはすでに有名な話です。ユーミンは自分のアルバム以外の人に歌を書く場合は「呉田軽穂」名を使うのです。この作詞:作曲コンビで松田聖子さんのヒット曲を何曲も生み出しているのです。

松本氏は、ユーミンの他にも財津和夫氏、大瀧詠一氏、細野晴臣氏などのニューミュージックのそうそうたるアーティストとともに松田聖子の曲をプロデユースしているのですが、歌詞の内容は彼女のキャラクターにピッタリと寄せてあります。

それはやはり、彼のミュージシャンとしての人脈がものを言う効果の表れだったはずであろう。そのように、松本隆氏が松田聖子の黄金期創成に尽力した立役者であったことは間違いないと思います。

「春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ」
「心の岸辺に咲いた 赤いスイートピー」

聖子のイメージを引き立てるためのやや臭い感じさえもあるような「造語」を使い、印象操作の歌詞づくりが、聞く者にハマっている。蛇足だが、この当時はまだ赤いスイートピーの花の色はなかったといいます。

ここで明らかなのは、松田聖子が時のそうそうたるニューミュージック才能集団の援護を受けてこそ、今の大歌手としてのステータスがあるということであります。

◇中森明菜は、作詞家・作曲家を逆指名した?◇

「まっさかさまに墜ちて desire」(desire)
突っ張りイメージの明菜には、ピッタリの歌詞でしょう。
「じれったい じれったい」(少女A)
「私は泣いたことがない」「飾りじゃないのよ 涙は」
「恋も二度目なら少しは上手に」(セカンド ラブ)

才能のある作詞家によって、とても印象の強い言葉選びが、どの歌の中にも息づいています。シンガー・ソングライターを目指している貴方ならば、是非それら一連の歌詞を検証して見てください。きっと、そこにはお宝のようなヒントがあることでしょう。

明菜さんの場合、作詞者や作曲者が変わっても、彼女の不良っぽいキャラクターのイライラ感は、テーマとして共通して大事にされていて、そこが一貫した彼女の売りイメージに仕立て上げられています。

彼女は、セルフプロデュースと言うか、歌ごとに自分の衣装や髪型など歌う様子を一新して斬新さを演出していたことは有名です。

自分色のアイドル路線としての戦術ですが、それは松田聖子さんを強く意識した差別化戦略でもあったと想像できます。

■まとめ

70年代にブレイクしたフォークブームとその後のニューミュージックへの流れは、確かにたくさんの才能ある人材を生み出した。それは同時に歌謡界からの大量なオファーを呼び起こしたのだと思います。

もともと、歌謡界への反発のスピリットが起爆剤になっていたフォーク界でも、歌謡界の商業コマーシャリズムが饒舌な寝技でも使って懐柔したのでしょうか? それともミュージシャンのほうも渡りに船で進出したのでしょうか?

1974年「襟裳岬」がレコード大賞を取ったときの私の印象は、コテコテの森演歌であっても、作曲はフォークの吉田拓郎氏、作詞家の岡本おさみ氏のコンビであったことが、とても象徴的で誇らしく見えました。

ここに、挙げた三人のアイドル歌手の躍進とそれに伴う経済効果等は、実は、歌謡界に向こうを張って登場してきたミュージシャンたちの力に支えられていたということに気づき、その作詞や作曲の妙に学ぶヒントを見つけていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました