ユーミンの「ライブin Saga Arina に行く」の巻き

ユーミン物語

■プロローグ

実は、私はこれまでアリーナでのライブやドームライブには行ったことがなかったのです。ところが、我が家の近所にたまたまArinaなるものが出来てしまったのです。オマケに大好きなユーミンが来るというので、まことに遅ればせながらのことですが、この年にして初のアリーナ体験をすることになりました。

これまでコンサートと言えば、地方まで来てくれる山下達郎さんが主で、しかも達郎さんの場合は、音にこだわるのでアリーナもドームも使われません。常にホールツアーオンリーなのですよ。

佐賀の文化会館ホールは、キャパが1,800で達郎さんにしてみればこのくらいのホールが大好きなのです。お陰で何度か、来ていただきました。このごろ、閉じた中野サンプラザホールも達郎さんの大好きだったホールで、そこはキャパ2,000くらいだと思います。

達郎さんのライブは、平気で3時間超えすることが多くて、中野サンプラザホールは、そこにクレームを付けないホールだということがとても達郎さん向きだったことも本人が話されていました。

その他には、小さなライブハウスに加川良さんを聞きに行くのが、私の毎年の恒例でしたから、彼の亡き後はそれも叶わなくなりました。

ところで、Saga Arina はキャパが8,400人とありますから、今回のライブのチケット代を一人1万円として、ざっと以下のようになるでしょう。

10,000×8,400×2(土・日)= 168,000,000 円の大金を何カ月も前に手に入れているわけです。福岡のマリンメッセなど、もっと大きな会場だとその倍のキャパがあったりします。

今回のツアーの回数分、ガッポガッポと懐が膨らむ。勢い業界全体がエンタメに傾くわけです。人件費を始め膨大な経費には糸目を付けずに賭けるユーミンではあるんですが、収益もスゴいはずです。

いずれにしても、私たち庶民の手の届かぬ気の遠くなるような巨額の収入ですね。「ショーほど素敵な商売はない」とは、よく言ったものです。

資本主義の恐ろしい一面でもあります。

■ユーミンライブを見て

アリーナ会場ではまずステージがど真ん中にあり、まるでプロレスのリングかと連想してしまいました。ステージ上には、海賊船なるものが組み上げられ「The Journey」ツアーというコンセプトテーマのLiveが始まりました。

もともとロック好きの彼女、とてつもない大音量のロックサウンドでライブは始まり、そこから2時間のノンストップの歌の連続でした。彼女はステージの上を縦横無尽に動き、ダンサーたちの踊りをバックに、まるでミュージカルのような様の公演でした。

たくさんの光や映像を駆使したプロジェクションマッピングのような雰囲気のなか、トーク場面はほとんどなく、歌と音の連続です。その古希を来年に控えた彼女の強靭なエネルギーはどこからくるものでしょうか?

次の日のローカルなFMラジオでも、彼女の精力的な動きのことを称して「モンスター」と表現しておりました。同感です。僕らはアリーナ席の前から3列目の場所だったので、すぐ近くでステージセットの装置が動くなど臨場感がありました。

■音楽史的な考察

思えば、「ニューミュージック」というジャンルは彼女の登場と共に始まりました。そしていつもCDやラジオなどのメディアから流れてくる彼女の歌は、極端なロックの感じがしません。ところが、ライブはほぼほぼロックなのです。

彼女の声の質や声量は本来ロック向きではありません。なのに、どうして彼女はこれほどロックのsoundにこだわるのでしょうか。

ユーミンは、「自分はアルバムアーティストである」と明言しています。その彼女のもう一つの顔がLIVEにおけるロックミュージシャンであるということでしょうか。私にはそう思えます。

デビュー50周年ライブのシーンをこの目で目撃できたことは、とてもラッキーで幸せなことでした。自宅から歩いて20分の場所、遠方から来るアリーナ利用者の駐車場がないという問題で、世の中が大きくバズっている中にあって、ダブルの意味でとてもラッキーでした。

現代にあって50年という時間は、とてつもなく濃密で、単に音楽シーンだけを取り上げてみたとしても膨大な量の音楽が登場しては消えしたことは言うまでもありません。その中にあってユーミンの曲は、今やスタンダードナンバーとして、繰り返し露出し続けています。

ユーミンは中居正広氏MCのTV番組で、「収入は?」の質問に「ポール・マッカートニーの百分の一」という回答をしていました。それは、彼女の謙遜でもあれば、自慢でもあると受け取れます。

比較の相手がポールともあれば、それだけでも膨大なものですから。

ユーミンは新しい感性の音楽やジャンルを創造し、定着させてきて、今も走り続けているわけです。しかも、彼女を超えるミュージシャンが登場したかと言えば、そうではなく今もユーミンが先頭を走っている状態ではないでしょうか。

それは、楽曲の芸術的な価値や詩的な歌詞、ドラマ性の高度さなどによるものです。せっかくそこに模範となる法則やセオリーを彼女が示してくれているのにも関わらず、それを読み解き新しい表現に活かして完成させるようなアーティストの登場を期待しています。

その道こそが、このブログに示してあるという事実を、シンガーソング・ライターを目指す貴方ならば是非読み取ってください。





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