作詞の前段階でキャラクターの設定が面白さの基本となる

メイクドラマ

キャラクター設定のメリット

例えば、ドラえもんの話を例にとってみましょう。主要な登場人物でドラえもんのキャラクターとしては「どら焼きが大好き」「ネズミが大の苦手」「のび太の無理なお願いをついつい聞き入れてしまうお人良しのネコ型ロボット」というようなキャラ設定でしょうか。

のび太君は、大の勉強嫌いで学校のテストではいつも「0点」ばかり。努力するのがきらいなので、いつもドラえもんの道具に頼ってしまう。でも根はやさしい性格。

ジャイアンは、わがままな暴君キャラで、母ちゃんにだけは頭が上がらない。
スネ男は、金持ちキャラで貧乏人を基本バカにしている。なんでもお金で解決できると考えている。

このようなキャストのキャラ設定(約束事)が確立しているからこそ、見る人はとても安心して毎回物語を楽しめるということですね。物語を見る前からすでに雰囲気はイメージできているところが、強味でしょうか。一般的にアニメはキャラ同士の闘いのようでもあります。

またアニメに限らず、いろんなドラマでも同じようなことが言えます。「相棒」での杉下右京は、とても才能があり記憶力抜群、多趣味でごく些細な小さなことがとにかく気にかかるという困ったキャラとして設定されています。

また、「遺留捜査」での川上隆也さん演じる糸村は、他の捜査人がまるで気にも留めないような些細な事にフォーカスして勝手に調べ始めて、同僚に馬鹿にされている。そんなキャラ設定です。

等々、登場人物のキャラがはっきりしていればこそ、視聴者は物語をよりリアルなものとして楽しめるし、のめり込めるというものです。

歌の中でのキャラ設定

歌の場合も、キャラ設定が上手く成されているものがあります。どこがそうだと言えないまでも、曲を聴いた後味が何となく人のイメージを伴うような場合には、それに近いように感じます。

そういう意味では、ユーミンの曲の中にはたくさんありそうです。
・男にふられて、見返そうとしている女(デスティニー)
・遊び人の生き方を変えて人生のチェンジを図ろうとする女(よそゆき顔で)
・自分から別の女性へと心を移していく男に、確信犯的な仕返しを企む女(真珠のピアス)
etc.etc
また、「我が良き友よ」(吉田拓郎作詞:作曲)では、登場人物は昔風のバンカラのキャラクターで語られています。岡本おさみ氏の詞になる「洛陽」では、ギャンブル好きのサイコロじいさんが登場し、西岡恭蔵氏の「プカプカ」では、無鉄砲で女傑のように男を手玉に取るような女が歌われます。このようにキャラが設定されると歌がリアルな物語のようにして立ち上がってきます。

ですから、シンガー・ソングライターを目指す貴方ならば、先ず物語やその登場人物のキャラクター設定を先にしてしまうといいかも知れません。すると、それに見合ったリアルな質量の大きい言葉選びができるかも知れませんね。

例えば「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」はキャラ設定がコテコテに濃い言葉が並んでいます。まるで刑事もののドラマでも見るような感じで、「アンタあの娘の何なのさ!」と来ればドッキリしてしまいます。

港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
皆さんにこの歌の歌詞を紹介できないことが残念です。それぞれに検索して見てください。いい語り曲です。
港町は人や文化の出入りが激しい場所です。開放的な一面がある一方で、「地の者」と「よそ者」(流れ者)というせめぎ合いや、無関心が微妙に交差しています。

そんな雰囲気が話し言葉から、良く伝わってきます。素っ気ない男たちの返答の仕方、女たちの返答には「アイサツなし」とか「仁義」なんていう反社的な文言まで入っていて過激です。

男キャラ、女キャラ、港町キャラに加えて、一人の女を探して訪ね歩く男の一途さが伝わります。仔猫を拾ってトンズラするヨーコという女などエピソードトークが効いています。

横須賀という米軍基地のある町の特殊な雰囲気も出ています。
そして、「アンタあの娘の何なのさ!」「アンタあの娘に惚れてるね!」という殺し文句が決定的なキーワードとして輝いています。こんなドラマを書いてみたい創作欲に駆られます。事程左様にキャラクター設定が成功しているのです。









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