シンガー・ソングライターになりたい貴方のために。今、歌作りには、どんな方向性と可能性があるのか

曲のテーマ性

私は、このブログの最初の命題として「歌はメイクドラマ手法でいくこと」を、口酸っぱく推奨してきました。その良い例としてユーミンと西岡恭蔵さんの歌の歌詞をいくつか紹介してきました。

奇しくも最近のことですが、私の理論を裏付けるかのようにユーミンの歌の詞から、6人の女性作家が短編を書き1冊の本として出版されました。

その概要は、以下のようになっています。いずれ劣らぬそうそうたるメンバーによる執筆です。

本のタイトル:「YUMING TRIBUTE STORIES」
・小池真理子 (あの日にかえりたい)直木賞作家
・桐野夏生 (DESTINY)直木賞作家
・江國香織 (夕涼み)直木賞作家
・綿矢りさ (青春のリグレット)芥川賞作家
・柚木麻子 (冬の終り)山本周五郎賞
・川上弘美 (春よ、来い)芥川賞作家
※( )内は、ユーミンの曲のタイトル。

このように、作家さんの脳裏にもユーミンの歌と詞に啓発されたドラマが見えていたのです。それってスゴイことだと思いませんか。

ですから、シンガー・ソングライターを貴方が目指すのなら、是非メイクドラマの手法は、成功への道としてこの先も模索し続けてください。

音楽シーンにおける現在的状況

この20~30年の間、若い人たち曲のほとんどでメイクドラマは上手くいっていないように思えます。それらのほとんどは、昭和のアイドル歌謡曲にさえ劣っているように見えます。

それはそうでしょう。80年代のトップアイドル歌手による歌謡曲は、それぞれの会社の社運を背負って作られた、大量の資金と力の入りようでしたから。

そこには、一流の作詞家・作曲家とアレンジャーの才能集団が投入され、名だたる名前が並ぶのです。松本隆・筒美京平・呉田軽穂(ユーミン)・宇崎竜童・阿木曜子etc.etc 挙げれば他たくさんです。

そこにあって、現在の若い歌を目指す貴方たちが「等身大の自分を歌う」などという無手勝流では到底かなうはずがありません。まさに「馬鹿にしないでよう そっちのせいよ」と一喝されるのがオチです。

そこで、取りあえず「メイクドラマ」に捕らわれずとも、新しい歌作りの可能性というものについて考えてみました。

今、歌作りには、どんな方向性と可能性があるのか

歌が、まがりなりにも芸術の端くれである以上、その一つ一つのテーマ性もまた無限であるというところから始めることにしましょう。例えば100点の絵画が並べば100のテーマがそこにあるのと同じです。

ですから歌のテーマを、100曲中95曲が恋(恋愛)に関するテーマのものというような状況はナンセンスです。とくに若い頃の恋の歌詞は、年数が経って見返すと自分ながらに浅く感じるし、嘘が混じっていることも多いと反省します。

それをして、30回、3年、30年と歌い続ける風雪に耐える歌とは、生半可なものではないはずです。せめてドラマ性に支えられていれば救われているのですが、そうでない場合には、それを支える別の要素が必要です。

そこで、考えられるのは、テーマ性を強く押し出すという方法はどうでしょうか。

<考えられるテーマ性(例)>
・愛 ・生と死 ・命 ・世の中 ・都市 ・大自然 ・政治 ・戦争 ・平和 ・山・川・海 ・大陸横断 ・航海 ・民族 ・旅、放浪 ・貧困 ・仕事 ・老い ・こども ・ともだち (その他、無限)

思いつくままに、アットーランダムに書きましたが、本来は無限なはずです。

テーマ+メッセージ

1. そこで、第一の提案です。何か一つのテーマを絞って、メッセージとして強く押し出すのはどうでしょうか。

2. 二つ目には、テーマを決めてシュールな世界の創造を目指す
「テーマ+シュール+メッセージ」の方法を確立してみては。

メッセージソングの例示

・イマジン(ジョン・レノン)
・ゲットアップ スタンドアップ (ザ・ウェイラーズ)
・コンドルは飛んで行く(ペルー歌謡、歌詞:サイモン&ガーファンクル)
・さとうきび畑
・島原の子守歌(宮崎康平)
・LOVE2000 (安室奈美恵)
・花(喜納昌吉)
・ウィ・アー・ザ・ワールド
・奇跡の地球
・もののけ姫
・月の祭り(歌詞:KURO、曲:西岡恭蔵)
・聞こえるかい(KURO、西岡恭蔵)
・燃えるキングストン(KURO、西岡恭蔵)
・教訓(加川良)
その他多数

※テーマ性やメッセージ性は、内容がどうあれ、その人の生き方や考え方とは切り離せないものであり、それが反映されるものですから、人としての精進も必要とします。そこは覚悟というものでしょうか。

「教訓」について:加川良の作詞・作曲
この歌は、元々は1970年の中津川フォークジャンボリーに飛び入り参加で歌ったものが、当時の観衆に受け、バズったものです。
♬命は一つ 人生は一回 だから命を捨てないようにね♪
♬あわてると ついふらふらと お国のためなのと言われるとね♪
と言う風に始まる歌です。

元々、体制批判の意味合いが感じられる歌ですから、右からの批判は常にあったようです。ですが私は幾度となく良さんのLIVEを聴いてきたのでよく知っているのですが、どのステージでも良さんは必ずこの歌を歌われました。

でも、一切の説明や解説はなく、ただ自分のLIVEでは必ず歌うというものでした。この歌が歌い続けられた50年間に及ぶ間に、社会背景や時代は右に行ったり、左に行ったり右往左往したように思います。

世界でいろんな戦争が起こる度に、この歌の響きが強く感じられ、平和な中では少し遠ざかるというような感じでしょうか? そうでありながらも、この歌は長年の風雪に耐えてきた歌だと言えます。貴方も、ユーチユーブでご覧ください。

テーマやメッセージというものは、そのようにあって欲しいものですね。

曲のスタイルを先に考えるとどうなるか

別の角度から考えてみて見ましょう。曲調としての、大まかなスタイルを先に考えてみるのもいいかも知れません。

・ロック仕立てにする。
・classic仕立てにする。
・ジャズ調仕立てにする。
・ブルース仕立てにする。(リズム&ブルースもあり)
・ゴスペル風を目指す。
・コミックソングを目指す。
・反戦歌のテーストを入れる。
・放送禁止歌のテーストを入れる。
・その他

目線をだれにフォーカスするかで考える

テーマやメッセージとも大きく関係しますが、歌の内容として誰の事を歌うのかを決めてみてはどうでしょうか。

例えば、
・子どもへの目線の歌とする
・年寄りへの目線の歌とする
・恋人のことをモチーフとした歌
・妻や愛人のことをモチーフとした歌
・不倫相手のことをモチーフとした歌
・老い楽の恋をモチーフとした歌
・災害や戦争の難民のことをモチーフとした歌
・家族のことをモチーフとした歌
その他、いろいろな民族のことをモチーフにしたりと、無限な題材の設定が可能かも知れません。

どんな楽器を使うかで曲作りを考えるとい方法

曲想のイメージはアレンジによって決まる部分が大きい。であれば、どんな楽器を使ったアレンジを目指すのか、それを先に決めるという方法はあるように思います。

例えば、いろんなパターンを考えてみましょう。
・アコースティックギター効果
・エレキギター効果
・管楽器(サックス、トランペット、クラリネット)
・パーカッション
・ドラム
・バイオリン、フルートなどのオケ楽器
・ハモンドオルガン
・シンセサイザー
・ピアノ、キーボード
・シタール(インドの弦楽器)
・スチールドラム
Etc.etc

私は個人的にピアノとクラリネットのセッションが唄のバックに流れるとしびれます。

その他、いろんな変わった音を使うという方法も効果があるかも知れません。
・鳥の鳴き声、波の音、雨の音、雷の音、飛行機の飛行音、小川のせせらぎ、風鈴の音、何かの爆発音 rtc.etc..

古い歌ですが、カスケーズの「悲しき雨音」では、最初に雷音が流れますね。

ドラマの擬音で使用するような、いろんな音でも楽しめるかもしれません。例えば、何か物をこすり合わせて出る音とかもそうです。
音遊びなんかの要素を取り入れるのもいいかも知れません。

さて、今回は以上のように「メイクドラマ手法」から一歩離れたとこに、どんな歌作りの可能性があるのかについて考察してみました。
貴方が、シンガー・ソングライターを目指し、歌作りをするときの参考にしてみてください。

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